複数条件を判定し、どれに一致したかで返す値を変えたいなら

ここでは、エクセルで複数条件を判定し、どれに一致したかで返す値を変えることができる関数と、その数式の作り方を紹介します。 

 

数値の範囲や文字列によって表示を変えたい場合に有効です。

 

エクセルを使っていると頻繁に使いたくなる形なので、ぜひ覚えておきましょう。

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1.複数条件判定で返す値を変えるにはIFS関数

複数条件を判定して、返す値をそれぞれ変える数式を作りたいのであれば、使う関数は「IFS関数」です。

 

ではIFS関数とはどのような関数か、その動きと使い方をもう少し見てみましょう。

 

1-1.IFS関数とは?

IFS関数とは「1つ以上の条件が満たされるかを確認し、最初の真条件に対応する値を返す」ことができる関数です。

 

もっと簡単に言うと「一致した条件に応じて返す値を変えられる」関数です。

 

1-2.IFS関数でできること

IFS関数でできることが分かりやすいよう、ひとつ例を見てみましょう。

上の表は店舗ごとの売上表です。当月売上と売上目標が入力され、目標達成率が%で算出されています。

 

また、表の下には目標達成率に応じた判定基準が記載されています。

 

例えば、この表の目標達成率を判定基準で判定して、◎、〇、×のどれかをE列に表示させたいとしましょう。

IFS関数を使うと、短い数式で思った通りの結果が表示できているのが分かると思います。ちなみにセルE4、E5にも同様の数式が入っています。

 

このように、複数条件で結果を何パターンにも変えることを、IFS関数はできるのです。 

1-3.IFS関数の引数は?

IFS関数の引数は次の通りです。

=IFS(論理式1,値が真の場合1,論理式2,値が真の場合2,…)

 

また、引数ごとに「どんなことを指定するのか(指定する内容)」、「どのように指定するのか(指定の仕方)」をまとめたのが次の表です。

引数 指定する内容 指定の仕方の例

① 論理式1

判定したい1つ目の条件を数式で指定 D3>=110%
② 値が真の場合1 論理式1が真の場合の値を指定 "◎"
③ 論理式2 判定したい2つ目の条件を数式で指定 D3>=100%
④値が真の場合2 論理式2が真の場合の値を指定 "〇"
⑤ 論理式3 判定したい3つ目の条件を数式で指定 TRUE
⑥値が真の場合3 論理式3が真の場合の値を指定 "×"

IFS関数を使う時のポイントは「①優先度の高い条件をはじめに指定する」ことと、「②最後の論理式には『TURE』を入れる」こと、そして「③最後の『値が真の場合』にはどの条件にも当てはまらなかった時に返す値を入れる」ことです。

 

特に、IF関数にはある引数「偽の場合」がないので、その分②と③を行うということに注意しましょう。

2.IFS関数を使った数式の作り方

では先ほどの例を使い、IFS関数で判定結果を表示させてみましょう。

 

判定条件は「目標達成率が110%以上なら◎、100%以上なら〇、100%未満なら×」です。

 

まず数式をセルE3に入れ、その後でE4、E5に数式をコピーします。

 

ちなみに、入力するのは「」内だけで「」は入れないでください。

 

(1)結果を表示させたいセルをクリックする

 

(2)数式バーに「=IFS(」と入れる

 

(3)fxボタンを押す

 

(4)論理式1、2にそれぞれ条件を、値が真の場合1、2にそれぞれ返す値を入力する

 

(5)論理式3に「TRUE」を、値が真の場合3に「先の条件に当てはまらなかった場合に返す値」を入力する

 

(6)OKボタンを押す

 

(7)数式を入れたセルの右下にカーソルを当て、左クリックを押したまま下まで下げる

 

(8)完了

このようにすると、IFS関数の数式が作れ、複数条件の判定結果で返す結果を変えることができます。

 

ポイントは「判定条件の優先順位」「最後の論理式に『TURE』」、そして「最後の値が真の場合に『IF関数でいうところの偽の場合』を入れる」ことです。

 

使い慣れるとIF関数を重ねるよりも簡単に、数式を作ることができすのでおすすめです。

 

以上、参考になれば幸いです。

 


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